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事業用ビル 原状回復 民法改正

改正民法と事業用建物の原状回復~原状回復トラブルを円満に解決するために~

改正民法と事業用建物の原状回復~原状回復トラブルを円満に解決するために~
主催株式会社にじゅういち出版
日時2019年7月30日(火)
午後1時~午後5時
会場東京都千代田区神田駿河台3-11-5 中央大学駿河台記念館 6階 670号室
JR中央・総武線「御茶ノ水駅」聖橋橋改札口から徒歩3分
東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅下車(B1出口)徒歩約3分
受講料1名 25,000 円、追加1名 20,000 円(テキスト・消費税込)
21出版倶楽部会員 1名22,500円、追加1名18,000円(テキスト・消費税込)
講師立川 正雄(弁護士)

事業用建物(店舗・事務所・工場)の原状回復が問題とされるようになりました。本講座は、事業用建物の原状回復の考え方、問題点、トラブル解決法、特約の有効性について、さらに2020年4月に施行される改正民法による影響についても解説します。

■事業用建物賃貸における原状回復の考え方
1 事業用建物の原状回復と民法改正(原状回復義務の法的意味)
 ・本来の原状回復の意味(特約のない場合の原状回復)
  Q 法律上の(本来の)原状回復義務とはどのようなものか?
 ・原状回復とリフォームの違い
  Q 貸主(オーナー)からは、退去者の負担だけでは次に貸せないといわれるが、原状回復とリフォームは一致するものか?
 ・民法改正と自然損耗負担特約
  Q 民法が改正されると、建物賃貸全般で「自然損耗・通常損耗」は借主の負担とできなくなるとのうわさを聞いたが本当か?
 ・自然損耗負担特約の限界
  Q 特約すれば、「自然損耗・通常損耗」は借主の負担とできるとのことであるが、特約すれば無制限に借主に負担を重く
    することができるのか?

2 事業用賃貸建物の原状回復特約
 ・居住用と事業用での原状回復特約の有効性についての違いと限界
  Q 事業用(店舗・事務所・工場)建物賃貸借で自然損耗についても、借主に広く原状回復義務を負わせたい。
    特約をすれば、事業用賃貸借では居住用よりも、借主に自然損耗について多くの(重い)原状回復義務を
    負担させることができるのか?

■原状回復の一般的考え方
1 ガイドラインの基礎知識
 ・ガイドラインの再改定
  Q 平成23年8月16日国交省から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の再改訂版が公表された。
    この再改訂はなぜおこなわれたか?
 ・ガイドラインの法的拘束力
  Q ガイドラインには法的な拘束力があるか?
 ・再改訂版の概要
  Q 今回の再改訂版の概要・特色はどのようなものか?
 ・原状回復条件を契約書に定める
  Q 原状回復条件を契約書に添付する」とは、具体的にどのような約定を定めればよいか?
 ・国交省・東京都の原状回復ガイドラインと事業用賃貸
  Q そもそも事業用建物賃貸借契約に国交省の原状回復ガイドライン(以下単に「ガイドライン」という)は
    適用されるか?
 ・事務所賃貸にもガイドラインを適用した判例
 ・社宅
  Q 借主が会社である社宅は、「事業用建物」か、「住宅」と考えるべきか?
 ・事業用賃貸借にも適用されるガイドラインの考え方
  Q ガイドラインで事業用にも使える考え方にはどのようなものがあるか?
 ・自然損耗の原状回復特約があると言えるか
  Q 事務所の借家契約書に以下の条項があった。借主は、6年借りてブラインドの紐が自然にスリ切れていたが、
    我慢してそのまま使っていた。
    7年目で退去するにあたり、貸主は、原状回復の特約ありとして、ブラインドの取替費用を請求できるか?

2 自然損耗の原状回復特約の定め方
 ・自然損耗の原状回復特約を作る場合の注意
  Q 裁判になっても有効性を認められるような特約はどのように作ればよいのか?
 ・判例を意識した特約文例

3 「壊したか自然損耗か」と「特約による原状回復の拡大」
 ・壊したか自然損耗か
  Q 壊したか自然損耗かの区別は、借主の原状回復義務にどのように影響するのか?
 ・タバコの「ヤニ」
  Q タバコの「ヤニ」によるクロスの汚れは「破損」か「自然損耗」か?
 ・タバコの「ヤニ」についての原状回復特約
  Q タバコの「ヤニ」によるクロスの汚れがあった場合には、入居テナントにクロスの張り替え代等を負担させる特約は
    どのように作ればよいか?
 ・結露によって発生したカビによる汚れ
  Q 結露によって発生したカビによる汚れは、壊したものとして本来の原状回復特約を要求できるか?
 ・「結露による汚れ・カビ」についての原状回復特約
  Q 結露による汚れ・カビによるクロスの汚れがあった場合には、入居テナントにクロスの張り替え代等を負担させる
    特約はどのように作ればよいか?
 ・ロッカー等を置いたことによるクロスの黒ずみ
  Q 壁の前にロッカー等を置いたことによるクロスの黒ずみは、壊したものとして本来の原状回復特約を要求できるか?
 ・ロッカー等を置いたことによるクロスの黒ずみについての原状回復特約
   Q ロッカー等を置いたことによりクロスに黒ずみ等の汚れを発生させた場合には、入居テナントにクロスの
     張り替え代等を負担させる特約は
     どのように作ればよいか?

4 修繕の範囲
 ・クロスの張り替え範囲
  Q 部屋の内側の壁面2面がクロス張りになっている部屋を事務所として貸した。入居した会社が運び込んだロッカーで、
    1面の3分の1くらいの長さでクロスを破いてしまい、4年後に退去した。業者は、補修は無理で張り替えが必要だと説明
    している。クロスの張り替え代は請求できると思うが、クロスの張り替えは、破られた1面の全体分を請求できるか?
 ・色合わせ・模様合わせの特約
  Q 破られていない1面は日焼けしており、1面を張り替えると次に貸すときに非常に見たくれが悪い、また、張り替えるクロスは
    廃盤になっており、他の模様のクロスを張らなければならない。色合わせ・模様合わせのためにもう一面の張り替えを請求する
    ことはできないと聞いたが、特約してもできないか?

5 残存価格(耐用年数と減価償却)
 ・借主の原状回復の負担を残存価値で判断することの合理性
  Q そもそも、借主の原状回復義務の負担を議論するのに、原状回復対象の内装・設備等の減価償却を行い、残存価値で判断
    するのは合理性があるのか?
 ・減価償却の期間(耐用年数)の基準
  Q 原状回復ガイドライン(再改訂版)は、内装設備等についてどのくらいの減価償却の期間(耐用年数)をどのように考えて
    いるのか? 
    また、事業用の建物賃貸について、借主の原状回復の負担を残存価値で判断することに関し、注意すべき点は何か?
 ・減価償却の期間(耐用年数)の特約による変更
  Q 原状回復ガイドラインの再改訂版で解説されている減価償却の期間(耐用年数)は現実離れしていると思われるので、特約で
    合理性ある耐用年数に変更できないか?

6 原状回復特約の総まとめ

7 原状回復に関する諸問題
 ・原状回復の金銭支払い
  Q 原状回復工事費用を請求したら、借主から「貸主側の見積もりが高いので自分の方で工事をする」と言い出した。他の部屋と
    レイアウトやクロスなど統一したいし、信頼して任せられるいつもの業者にやらせたいのだが、借主にあくまで金銭負担させ
    るようにはできないのか? 特約で借主に金銭負担をさせられないか?
 ・原状回復費用を消費税課税事業者が受領したとき
  Q 消費税課税事業者である個人のビルオーナーが原状回復費用を退去するテナントから100万円もらい、「仮受金」として処理
    し、この100万円については、退去するテナントからも消費税をもらわず、貸主オーナー自らも消費税は納税しなかった。
    個人ビルオーナーはこの中から実際に内装業者に原状回復工事のため97万2000円(うち消費税7万2000円)を支払っている。
    また、テナントからもらった原状回復費用100万円は「仮受金」として処理したので、貸主オーナー個人の不動産所得にも
    計上しなかった。これらの税務処理に問題はないか?
 ・原状回復の工事期間中の借主の家賃負担
  Q 原状回復工事費用を金銭支払いで行わせるよう特約し、家主側で工事をしたいが、原状回復の工事期間中の家賃を借主に負担
    させることはできないか?
 ・鍵の交換
  Q 事務所入居者に対して、退去の際、原状回復として鍵(シリンダー)の交換費用を請求できるか?
 ・シャッターの法定耐用年数
  Q 重量鉄骨造りのビルの1階を飲食店の店舗(延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が3割を超える)として貸している
    オーナーがいる。新築をして直ちにある会社に飲食店の店舗として賃貸し、以後25年が経過している。この度、借りている
    会社が退去することになった。このテナントの会社が、入口にあるシャッターを壊してしまい、修理不可能なので交換が必要
    である。特約がないとして、貸主はこの借主テナントに対し、どの程度の金額の原状回復費用を求めることができるのか?

8 借家権譲渡・造作譲渡が行われた際の原状回復条項
 ・借家権の譲渡と店舗の造作譲渡
  Q 飲食店として貸していた店舗について、借主から、「自分は店の経営から手を引くので、店舗内の造作付きでお店の営業権を
    第三者に譲渡したい。」との申入れを受けた。新しい借主も長年、店舗で働いていた人間で、信頼できる人物であるし、新し
    い店舗の借り手もすぐに見つからないことから、貸主としては、この申入れに応じようと考えている。営業権の譲渡について、
    どのような契約書を作成する必要があるか?
 ・借家権譲渡・造作譲渡と原状回復義務の承継
  Q 借家権譲渡されたときの原状回復について、どのような注意が必要か? 下記の点についてトラブルを起こさないために賃貸
    借契約書の原状回復の定めはどのようにしておくべきか?

9 事業用賃貸建物の原状回復についての紛争事例
 ・原状回復義務の争いを理由とする貸主の建物返還拒否と遅延損害金
 ・オフィスビルの賃貸借契約で特約により、借主が通常損耗についても原状回復義務があるとされた事例
 ・マンションの1室を事務所として借り受けた借主は、「契約締結時の原状に回復させる」との特約で、通常損耗について原状回復
  義務は負わないとされた事例

■敷引(敷金・保証金の償却)
1 敷引・保証引き(敷金・保証金の償却)
 ・民法改正と敷引(敷金・保証金の償却)
  Q 「民法が改正されると、敷金は「家賃などの担保」で全額返すべき義務が定められているので、敷引はできなくなる。」と
    一部報道されているがホント?
 ・敷引(敷金・保証金の償却)と消費税
  Q 事業用の賃貸借で、保証金1000万円、保証金を退去時100万円償却と定めた。この100万円の保証金償却には消費税が
    かかるのか? 消費税がかかるとしたら、契約時の現在では8%だが、10%のときに退去したら消費税率はどうなるのか?
2 原状回復トラブルの回避方法と敷引・保証金の償却
 ・原状回復トラブルの回避のための敷引・保証金の償却
  Q 事業用ビルについても、賃貸借契約終了時の原状回復費用の精算につき、トラブルが多いので、このトラブルを回避するための
    方法として、敷引(保証金の償却)をするのがよいと聞いたが、どのようにするのか?
 ・自然損耗の原状回復特約に代わる特約

立川 正雄

立川 正雄

弁護士

昭和52年司法試験合格、昭和55年弁護士開業。
会社法務・開発・建築・不動産法務・倒産法務を専門分野とする。
最近では、ゴルフ場の清川カントリークラブの更生管財人として再建を果たす。
勤務弁護士8名を擁する法律事務所を経営。「請負契約の諸問題」「個人情報保護法と実務の対応」「不動産仲介の諸問」題等 で講演会を行い、「入居と退去の法務」「担保不動産売買仲介の実務」「賃貸管理業務規定・契約書式監修」等の著書がある。

東京都千代田区神田駿河台3-11-5 中央大学駿河台記念館 6階 670号室
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